いつもの夕食でも、比べるものが二つあるだけで少しだけ楽しみ方が変わる。今日は味付マトンと味付上マトンを同じ食卓に並べて、二人で好みを探してみる夜だ。
二つのマトンを同じ食卓で食べ比べてみる

食卓の中央で肉が焼けはじめる。まずは片方を取り分けてひと口。
「じゃあ、こっちからね」
食べた感想を急いで決める必要はない。おいしい、という最初の印象を持ったまま、ひと皿目の印象が残っているうちに、もう一方も焼いてみる。さっきの味を思い返しながら食べると、自然と比べる目線になっていく。
「どう違うんだろう」と少し意識を向けるだけで、いつもの食事とは違う見方が始まる。
「こっちが好き」で違いが見えてくる

二つ目を口にすると、さっきまで曖昧だった違いが少しずつ言葉になってくる。
「私はこっちのほうが好きかも」
「え、そっちなんだ。自分は最初のほうかな」
味付マトンと味付上マトンを交互に口にしているうちに、話題は「どちらがおいしいか」より、「自分ならどっちを選ぶ?」へ移っていく。
感じ方が同じなら「やっぱりそうだよね」と笑えるし、違えば違ったで面白い。食べ進めるうちに、肉の話から互いの好みの話へ。夕食に、ちょっとした答え合わせのような時間が混ざっていく。
最後に二人の好みを聞き合う

皿の上の肉も少なくなり、食事はそろそろ終盤。
最後のひと切れを前にして、改めて聞いてみる。
「結局、どっちが好きだった?」
最初の印象から変わっているかもしれないし、最後まで意見が分かれたままかもしれない。それでも、二つを順番に食べたから、自分なりの答えがひとつ残る。
食べ終わるころには、「自分はこっちだった」という答えが残っている。相手の答えも聞いてみると、意外と違っていて、もうひと笑い。
二つを食べ終えたら、最後に「どっちが好きだった?」と聞き合ってみる。そんな食べ比べの夕食に使った二つのマトンを、もう少し見てみたくなる。