週末の夕食。いつもなら主菜を決めて、副菜を考えて、足りなければもう一品——そんなふうに献立を組み立てるところを、今日は少しだけ変えてみる。
用意する主役は、大きなリブロースを一枚。
これを焼いて、食卓の真ん中に置いて、みんなで切り分ける。それだけで、いつもの夕食とは少し違う夜が始まりそうだ。
大きな肉を一枚、週末の夕食の主役にする

フライパンにのせると、一枚の肉が思った以上に場所を取る。
選んだのは、赤身をしっかり楽しめる大きめのアルゼンチン産リブロース。今日は一人分ずつに分けず、この一枚をそのまま焼いてみることにした。
焼き始めれば、あとは時々様子を見るくらい。いくつもの鍋を並べなくても、肉が焼けていく音と香りで、台所には十分に「今夜のごちそうを作っている」感じがある。
「これ、全部焼くの?」
そんな声が聞こえたら、「今日はこれをみんなで」と返す。
まだ食卓に並んでもいないのに、大きな一枚を焼いているだけで、夕食の始まりが少しだけいつもと違って見えてくる。
焼き上がった一枚を、食卓で切り分けて囲む

焼き上がった肉は、先に人数分へ分けず、そのまま皿へ。
食卓の真ん中に置くと、自然と視線が集まる。
ナイフを入れ、一切れずつ切り分けていく。厚めがいい人、端のよく焼けたところが好きな人。切りながら、「こっちがいい」「もう少し薄く」と短いやり取りが続く。
一人分ずつ完成した皿が運ばれてくる食事とは、少し違う。
大きな一枚がそこにあるから、切ることも、選ぶことも、食事の途中に残っている。
肉を囲みながら次の一切れを切る。その何でもない動作まで、今夜の夕食の一部になっている。
一品でも、いつもの夕食は少しイベントになる

食べ終わったテーブルを見れば、やったことは意外とシンプルだ。
大きな肉を一枚焼いて、真ん中に置いて、切り分けただけ。
それでも、焼き上がるのを待っていた時間や、「どこを切る?」と話したことまで思い返すと、ただステーキを食べた夜とは少し違う。
何品も並べなくても、主役になる一枚があれば、それで十分な夜もある。
次に肉を選ぶときは、一人分のステーキだけでなく、赤身をしっかり味わえて、みんなで囲めるくらいの大きな一枚にも目が向きそうだ。
次の週末、こんな夕食をやってみようと思ったら、まずは食卓の真ん中に置ける一枚を探すところからでもいい。