牛肉を選ぶとき、きれいに脂が入った一枚を見ると、なんとなく「これは柔らかそう」と思う。
そんな見慣れた霜降りの隣に、赤身のアルゼンチン産ヒレを少しだけ並べてみる。同じくらいの焼き加減、味付けもシンプルに。
いつもの食卓で二つを食べ比べてみると、見た目だけでは分からなかった違いが、ひと口ずつ見えてくる。
霜降りと赤身を食べ比べて、「柔らかさ」の違いを確かめる

皿の上には、脂の筋が細かく入った霜降りの牛肉と、すっきりと赤い色をしたアルゼンチン産ヒレ。
まずは霜降りからひと口。噛むと脂のコクが広がり、なじみのある柔らかさがある。

続いて、隣のヒレへ。
赤身の見た目から、もう少ししっかり噛む肉を想像していたのに、歯を入れると意外なほどすっと噛み切れる。
「こっちも、ちゃんと柔らかいね」
思わずそんな一言が出る。
同じ「柔らかい」でも、霜降りの脂をまとった口当たりと、赤身のヒレを噛んだときの感触は少し違う。交互に食べると、その差がよく分かる。
いつもなら脂の入り方へ向いていた目が、赤身の一枚にも止まる。
脂のコクか、赤身の旨味か。自分の好みが見えてくる

もう一度、霜降りを食べる。次にヒレ。
今度は柔らかさだけではなく、口に残るものの違いにも気づく。
霜降りは、脂のコクまで含めて味わう感じ。アルゼンチン産ヒレは、赤身を噛んだときの肉らしい旨味が前に出て、後味はまた違った印象になる。
「今日はこっちがいいかも」
「私は、この赤身の感じが好き」
食卓に小さな好みの違いが出てくるのも、食べ比べの面白いところだ。
脂のコクを楽しみたい日もあれば、赤身の旨味を味わいたい日もある。
次に牛肉を選ぶときは、霜降りの入り方だけでなく、赤身の一枚にも少し目が向きそうだ。
次に牛肉を食べる機会があれば、霜降りと赤身のヒレを少しずつ、同じくらいの焼き加減で並べてみる。
自分はどちらが好きなのか、食卓で確かめてみるのも面白い。