休日の夕食。少しだけいつもと違うことをしたいけれど、手の込んだ料理を用意するほどではない。そんな夜は、食卓にホットプレートを置いて、蟹を焼きながら食べてみる。料理ができあがるのを待つのではなく、焼けていく時間から夕食が始まる。
いつもの食卓で、蟹を焼きながら夕食を始める

テーブルの中央にホットプレートを置き、生ずわいや生たらばをいくつか並べる。最初から全部を焼く必要はない。まずは食べる分だけ。
熱が入るにつれて、蟹の表面が少しずつ色づいていく。いつものホットプレート料理と同じように囲んでいるのに、今日は目の前に蟹がある。それだけで、食卓の眺めが少し違って見える。
「これ、もう食べられそうかな」
誰かがそう言うと、みんなの視線が自然とプレートへ集まる。焼けたものから取って食べ、空いたところへ次の蟹を置く。料理を並べ終えてから「いただきます」と始める夕食とは違い、焼くことと食べることが同時に進んでいく。
休日の夜なら、こんな少しゆっくりした夕食も悪くない。
焼けるのを待つ時間まで、みんなの楽しみになる

次の蟹を置くと、また香りが立ちはじめる。すぐには食べられないからこそ、「次はどれにする?」とプレートを眺める時間がある。
焼け具合を見ながら裏返したり、少し待ってから取り分けたり。食べ終えたら、また次を焼く。食事の途中に何度も小さな区切りができ、そのたびに会話も続いていく。
焼き上がった半むき身の蟹を取ると、殻から身へ手を伸ばしやすい。「これなら次も焼こう」と、空いたところへまた蟹を置く。焼く、食べる、また焼く。その流れが途切れにくいのも、この食べ方にはちょうどいい。
できたてをひと口食べたあと、次の一枚が焼けるのを待つ。その間にも「こっちはもう少し焼こうか」「次はこれにしよう」と話が続く。
気づけば、食べることだけでなく、焼けるのを待ちながら同じテーブルにいる時間まで楽しんでいる。
ホットプレートの焼き蟹が、休日の夕食の選択肢になる

食事が進むころには、最初に並べた蟹もずいぶん少なくなっている。
「次はこれで最後にする?」
そう言いながら残った蟹をプレートへ置き、焼けるのを眺める。特別な店へ出かけたわけでも、難しい料理を作ったわけでもない。それでも、今夜はいつもの夕食とは少し違った。
焼いて、食べて、また焼く。その合間に話をして、焼け具合を一緒に気にする。最後の蟹が焼けるころまで、食卓にはまだ会話が残っている。
次の休日も少しゆっくり夕食を楽しみたいと思ったら、またホットプレートを出してみてもいい。焼き蟹は、そんな夜に思い出せる選択肢のひとつになりそうだ。
次の休日に試してみたくなったら、まずはホットプレートで焼く蟹をどんなものにするか見てみる。