赤ちゃんと近所のカフェへ行こうと思った朝。着替えのことを考えながらクローゼットを開くと、つい「授乳しやすいもの」を探しそうになる。
でも今日は、その前にひとつだけ自分に聞いてみる。
「いま、どれを着たい?」
今日は「授乳しやすい服」より、着たいブラウスを選ぶ

ハンガーにかかった服を眺めて、手が伸びたのはペプラムブラウスだった。
ふんわりと広がるシルエットで、近所への外出でも少し気分を変えたい日に着たくなる一枚。鏡の前で袖を通してみると、「今日はこれで行こう」とすんなり決まった。
赤ちゃんとの外出では、おむつや着替え、ミルクまわりのものなど、考えることがいくつもある。服まで実用性だけで決めていると、自分のことは最後でいいような気分になる日もある。
だからこそ、最初に「着たい」を選べるだけで、出かける支度の景色が少し違って見える。
抱っこ紐やバッグを整えて、赤ちゃんと玄関へ。赤ちゃんの支度を終えて玄関に立つころには、今日は自分の服もちゃんと選べた、という小さな満足が残っていた。
外で授乳してみると、好きな服のまま過ごせると気づく

近所で買い物を済ませ、そのままカフェへ。
席についてしばらくすると、赤ちゃんがそわそわし始めた。そろそろ授乳かな、と時計を見て、必要な場所へ移動する。
そこでブラウスのフロントボタンを開ける。
朝はただ「着たい」と思って選んだブラウス。そのまま授乳までできると分かると、服を選び直さなくていいことが思ったよりうれしい。
授乳を終えたらボタンを戻し、また赤ちゃんを抱いて席へ。
「着たいものを選んだら、あとで困るかもしれない」
どこかでそんなふうに考えていたけれど、今日はその心配をいったん脇に置いて過ごせている。
コーヒーをひと口飲んで、ベビーカーの中をのぞく。外出の途中に授乳が入っても、今日着たかった服のまま、一日の続きを楽しめる。
そのことが思った以上にうれしかった。
次の外出も、「何を着たい?」から考えてみる

カフェを出たあと、もう一軒だけ店をのぞいてから家へ向かう。
特別な遠出ではない。いつもの道を歩いて、必要なものを買って、少しお茶をしただけ。それでも、朝に自分で選んだブラウスを着て一日を過ごしたことが、小さく記憶に残る。
授乳中の外出では、赤ちゃんに合わせることがたくさんある。
だから服くらいは、ときどき自分の「これが着たい」から始めてもいいのかもしれない。
必要なときだけボタンを開けて、終わればまたいつもの着こなしへ。そのくらい自然なら、次の外出でも先に好きな服を探してみたくなる。
帰宅してブラウスを脱ぐころには、朝の選び方を少しだけ覚えておきたいと思った。
次に赤ちゃんと近所へ出かける日は、まずクローゼットを眺めてみる。
「今日いちばん着たいのはどれ?」から始められる服が一枚あると、外出の朝は少し変わるかもしれない。