朝、ワンピースに袖を通して鏡の前に立つ。
いつもなら、そのまま髪を整えて出かけるところ。でも今日は、ふとウエストまわりに目が止まった。
少しだけ形を変えてみたら、どんなふうに見えるだろう。
そんな小さな寄り道から、その日の着こなしを決める時間が始まる。
鏡の前で少し形を変えると、同じワンピースの見え方が変わる

鏡に映るのは、ゆったりとしたワンピース姿。
そのままでもよさそうだけれど、ウエストのドローコードに手をかけて、ほんの少しだけ引いてみる。
「あ、ちょっと違う」
さっきまでまっすぐ落ちていたシルエットに、少しだけ変化がつく。

今度は締めすぎないところまで戻して、もう一度鏡を見る。大きく着こなしを変えたわけではないのに、目に入る印象は少しずつ違う。
服を選び直したわけでも、新しいコーディネートを考えたわけでもない。いつもの一着を、今日はどう着るか。それだけの小さな選択だ。
「今日はこっち」と、その日の自分に合うシルエットを選ぶ

少し締めた形と、ゆったりさせた形。
鏡の前で何度も確かめるほどではない。二つを見比べて、「今日はこっちかな」と思ったところで手を止める。
今日は少し輪郭をつけたい。別の日なら、もう少しゆったりしたまま着たいと思うかもしれない。
どちらが正解というわけでもなく、その日の自分がしっくりくるほうを選べばいい。
ゆったり着るか、少し輪郭をつけるか。ドローコードを動かせるから、その日の自分が選んだところで手を止められる。
鏡をもう一度見て、今日は少しだけ締めた形に決める。
「うん、これで行こう」
そう決まれば、あとはいつもの朝へ戻る。
次にシルエットを調整できる服を着る朝は、そのまま出かける前に一度だけ、締め具合やゆとりを変えて鏡を見てみるのもよさそうだ。