少し特別な牛肉を買った日は、焼く前からいつもより手元が気になる。せっかくなら、いい具合に仕上げたい。
そんなとき、肉と一緒についてきた、焼き時間や休ませ方まで書かれたレシピを開いてみる。
レシピを頼りに、少し特別なステーキを焼いてみる

厚みのある肉をまな板に置き、まずは付属のレシピへ目を通す。
フライパンに入れる前に読んでみると、焼く時間だけでなく、そのあとどう休ませるかまで順番が書かれている。店主が研究したという焼き方を前にすると、「これなら、書いてあるとおりにやってみよう」と思える。
焼き始めてからも、何度かレシピへ目を戻す。片面を焼き、返したところでまた時間を確認する。普段なら感覚で済ませるところを、今日は書かれた手順に付き合ってみる。
ジュッと音がして、表面に焼き色がついていく。
あとは火から下ろして、レシピにあるとおり少し待つ。すぐに切りたくなるところをこらえる時間まで、今日は料理の一部だ。
包丁を入れて、狙ったミディアム・レアを確かめる

休ませた肉をまな板へ戻す。ここまで来ると、気になるのは味より先に中の色だ。
包丁を入れ、ひと切れ目をゆっくり離してみる。
外側にはしっかり焼き色がつき、中心には赤みが残っている。狙っていたミディアム・レアらしい断面を見て、思わずもう一度レシピへ目が向く。
「ちゃんと、この通りになった。」
焼き加減は、食べてから何となく判断するものだと思っていた。でも、自分で時間を見て、休ませて、最後に切って確かめると、そこまで全部がひとつの楽しみになる。
少し特別な肉だったからこそ、焼き上がりまで見届けたくなった。途中で何度も見返したレシピも、最後にはもう一度手元で確かめたくなる。
難しそうだったステーキ焼きが、次も試したい料理になる

皿に盛ったステーキを食べながら、さっき切った断面が頭に残る。
専門的な技術を身につけたわけではない。それでも、手順を一つずつ追えば、自宅でも焼き加減を狙ってみることはできる。
次は少し焼く時間を変えたらどうなるだろう。別の厚みの肉なら、どんな仕上がりになるだろう。
そんな小さな興味が残ると、ステーキは「うまく焼かなければ」と構える料理ではなく、「次はどう焼いてみよう」と試せる料理に見えてくる。
次に少し特別なステーキを焼くなら、焼き方まで一緒に試せる一枚を選んでみるのもいい。レシピを頼りに焼いて、最後に包丁を入れるところまで、自宅で楽しめる。