休日のBBQといえば、焼肉用の肉や野菜を並べて、焼けたものから順番に食べていくことが多い。
それも楽しいけれど、今日はグリルの真ん中に大きな肉を一枚。その姿があるだけで、いつもの庭やベランダが少し違って見えてくる。
本格的な道具をそろえるわけではない。いつものBBQに、一枚肉をじっくり焼く時間を加えてみる。
いつものBBQで、大きな一枚肉を焼いてみる

炭やグリルを用意して、テーブルには飲み物と簡単なつまみ。ここまでは、いつもの休日とあまり変わらない。
違うのは、今日焼く肉だ。
アルゼンチン産の大きめのリブロースを一枚のままグリルにのせると、自然とそこへ目が向く。小さく切った肉を何枚も並べるときとは違い、グリルの中央にどんと一枚。
「今日はこれを焼くの?」
そんな一言が出るくらいの、ちょっとした変化だ。
一枚の肉をゆっくり焼くとなると、いつものBBQとは少し時間の使い方が変わる。
アルゼンチンで親しまれているアサードも、肉を火でじっくり焼いて囲む食文化のひとつ。庭やベランダで本格的に再現しなくても、普段のグリルで一枚肉を焼けば、その雰囲気を少しだけ取り入れられる。
焼き上がりを待ち、その場で切り分ける時間を楽しむ
一枚肉を焼いていると、次から次へと食材をのせる忙しさがない。

様子を見ながら火を通し、ときどき肉の表面を見る。すぐに食べ始めるのではなく、焼けるまで少し待つ時間がある。
「そろそろかな」
誰かがグリルをのぞく。
まだ少しかかりそうなら、飲み物を手に取ってまた話す。焼いている肉そのものが、なんとなく会話の中心に残っている。
やがて焼き上がったリブロースをまな板に移し、その場でナイフを入れる。
大きな一枚だった肉が、食べやすい厚さに切り分けられていく。その断面を見ようと、少しだけ視線が集まる。
「いい感じじゃない?」
ひと切れずつ皿に取れば、ようやく食事の時間だ。
焼き上がるまで待って、切り分けて、みんなで同じ一枚を囲む。いつものBBQにはなかった時間が、そこにひとつ増えている。
アルゼンチン産のリブロースを一枚で焼いていると、アサードという食べ方も少し身近になる。
難しい作法まで持ち込まず、産地の食文化をいつものBBQに少し混ぜてみる。そのくらいがちょうどいい。
焼くものを変えるだけで、休日のBBQが少し新鮮になる

食べ終わってみれば、使ったのはいつものグリルで、過ごした場所もいつもの庭やベランダだ。
大がかりな準備をしたわけでもない。
それでも今日は、一枚の肉が焼けていくのを眺め、みんなで切り分けて食べた。その場面が、いつものBBQとは少し違って残る。
「次もこういうの焼いてみようか」
新しい設備も、特別な料理を何種類も用意する必要もなかった。
いつものグリルで一枚肉を焼いただけなのに、「次もこういうの焼いてみようか」という話が残る。ミニ・アサードは、そのくらい気軽な休日の変化でいい。
次にBBQをするとき、肉売り場で大きめの一枚肉にも目を向けてみる。
「これを丸ごと焼いたらどうなるだろう」と思える一枚があれば、いつものBBQとは少し違う休日が始まりそうだ。