結婚式の準備をしていると、決めることが少しずつ増えていく。招待状、装花、席次、ウェルカムスペース。似顔絵のウェルカムボードも、その中のひとつとして「そろそろ決めようか」と話題にのぼる。
とりあえず候補を見てみようと、ふたりで画面をのぞき込む。最初は、それくらいの始まりだった。
似顔絵を見比べると、ウェルカムボードの雰囲気が見えてくる

最初に目に入ったのは、やわらかな線で描かれた、かわいらしい似顔絵だった。
「こういう感じ、結婚式っぽいね」
そのまま次の作品を見る。今度は表情が少し大げさで、見ているだけでふっと笑ってしまうような一枚。
「こっちもいいな。ちょっと面白い感じ」
さらに見ていくと、色数を抑えた落ち着いた雰囲気の作品も出てくる。同じ“ふたりの似顔絵”でも、画風が違うだけで、ウェルカムボードから受ける印象までずいぶん変わる。
最初は「似ている絵を選ぶ」くらいに考えていたのに、いつの間にか見ているのは線のやわらかさや色づかい、表情の描かれ方。
「会場に置くなら、どんな感じが合うかな」
選ぶ基準が、少しだけ具体的になってくる。
「かわいい」「ちょっと面白い」を言い合って、ふたりの好みを探す

作家ごとの作品をいくつか見比べていると、好みがぴったり重なるものもあれば、意外と分かれるものもある。
「私はこれが好き」
「え、そっちなんだ。僕はこっち」
そんなやり取りも、しばらくすると面白くなってくる。
片方が選んだ作品をもう一度見直して、「たしかに、この表情いいね」と言ったり、自分では選ばなかったテイストが少し気になってきたり。
「これ、私たちらしいかな」
「こっちのほうが、いつもの感じじゃない?」
作品について話しているはずなのに、いつの間にか、ふたり自身の雰囲気にも目が向いている。
選ぶ時間まで、結婚式準備の思い出になっていく

いくつか候補を残したところで、最初に見た作品へ戻ってみる。
さっきは気にならなかったものが、今見ると少し違って見える。たくさん比べたあとだからこそ、「やっぱり、このくらいのやわらかさが好きかも」と分かることもある。
「じゃあ、これを残しておこうか」
ひとつ候補が決まったあとも、さっき見ていた別の作品をもう一度開いて、「これも結構好きだったね」と少し笑う。
完成した似顔絵を当日飾るだけでなく、「どれが好き?」と画面を見せ合った時間も、結婚式準備のひと場面として残りそうだ。
まずは、似顔絵作家の作品をいくつかふたりで眺めて、それぞれ「これが好き」と思う一枚を選んでみる。
同じものを指すか、まったく違うものを選ぶか。その答えを見るところから、ウェルカムボード選びを始めてもよさそうだ。