夕方、冷蔵庫を開けても、今日は何を作るかがすぐには浮かばない。
キャベツが少し。きのこもある。使いかけのにんじんも残っている。
そんな日は、料理名を決める前に鍋を出してみる。あるものを切って、重ねて、蓋をする。それくらいの始まり方がちょうどいい日もある。
冷蔵庫にある野菜から、夕食を始める

グリーンパンのメイフラワーキャセロールをコンロのそばに置き、まずはキャベツをざくざくと切る。その上にきのこ、薄めに切ったにんじん。
「これも入れてしまおう」
冷蔵庫の奥にあった野菜が、少しずつ鍋の中へ集まっていく。
深さのある鍋だから、形の違う野菜も重ねて入れやすい。
全部を使い切らなくてもいい。今日はこの3種類。それで十分。
切った野菜が鍋に収まるころには、まだ名前のない夕食が、もう半分できたように見えてくる。
蓋をしたら、あとは鍋に任せる

少し水分を加えて、ガラス蓋をする。
火にかけると、しばらくして蓋の内側が曇り始める。その向こうで、かさのあったキャベツがゆっくり沈み、きのこも柔らかな形へ変わっていく。
途中で一度、蓋の上から中をのぞく。
「もう少しかな」
中の様子が見えるから、何度も蓋を開けて確かめなくてもいい。
その間に器を出したり、テーブルを整えたり。ふと鍋へ目を戻すと、ばらばらだった野菜が、湯気の中で少しずつまとまっている。
残り野菜が、そのまま一品になる

蓋を開けると、最初は山のようだった野菜が、しっとりとひとつに馴染んでいる。
器によそって食卓へ運ぶ。キャベツも、きのこも、にんじんも、冷蔵庫にあったときは別々の「残りもの」だったはずなのに、今はひと皿の中に自然に収まっている。
次に冷蔵庫を開けたとき、半端に残った野菜を見ても、「これは何に使おう」と一つずつ考えなくていいのかもしれない。
キャベツがあって、きのこがあって、何か根菜がひとつ。
それなら、また重ねて蒸せばいい。
次に「今日はあまり手をかけたくない」と思ったら、冷蔵庫から野菜を2〜3種類だけ選んでみる。
今夜の一品は、そこから考えてみてもいい。