休日の昼前、いつものように料理を始めようとして、棚から鍋を取り出す。
そのまま火にかけるはずだったのに、ふと鍋の内側に目が止まった。食材なら原材料や産地を見ることがあるのに、この鍋が何でできているかは、そういえばよく知らない。
毎日のように使っているのに、意外と見ていなかったところだった。
いつもの鍋を見てみたら、「何でできている?」が気になった

「これって、何の素材なんだろう」
そんなひと言から、棚にあるフライパンや鍋を少しだけ見返してみることにした。
普段なら、大きさや深さ、使いやすさで選んでいる道具たち。改めて見てみると、素材や表面加工についてはほとんど意識していなかった。
「食材だけじゃなくて、作る道具にも違いがあるんだね」
大げさな発見ではない。ただ、それまで同じように見えていた鍋やフライパンに、もう一つ見るところが増えた。
料理をしながら考える、毎日使う道具を何で選ぶ?

その日は、グリーンパンのメイフラワーキャセロールで一品を作ることにした。
食材を入れ、いつものように調理を進める。
「そういえば、これはPTFEを使わないセラミック・ノンスティックなんだよね」
そんな話をしながら鍋を見ていると、隣から言葉が返ってきた。

「こういうところまで見て選ぶこともできるんだね」
手を動かしながら、うなずく。
素材について詳しく調べるわけでも、正解を決めるわけでもない。ただ、毎日使うものなら、自分たちが何を気にしたいかを少し話してみてもいい。
料理ができあがる頃、さっきまで何気なく使っていた鍋へ、もう一度目が向いた。
次に料理をするときは、手に取った鍋やフライパンをそのまま使い始める前に、素材や表面加工を一つだけ見てみる。
それだけでも、いつもの道具に少し違う見方が加わりそうだ。